2013年7月27日土曜日

積極性を育むために

娘の通っている幼稚園は「モンテッソーリ教育」を実施しています。
実を言うと幼稚園を選ぶとき、何も考えず「家のすぐ近くだから」
という理由で、他の幼稚園と比較検討することもなくそこにしました。
入園間近にようやく資料を見て、はじめてモンテッソーリ教育を実施していることを知った
という呑気な母です。

モンテッソーリ教育ってどんなことをするんだろう? 
と思っていたときに図書館で見つけたのが「子どもは動きながら学ぶ」という本です。
20年以上前の本ですが、モンテッソーリの考え方がわかりやすく書いてあり、
娘が幼稚園で行っている「お仕事」の意味もなんとなく理解できました。
さらに、心に留めておきたい言葉も。


「子どもは困難に直面したとき、それから逃げることよりもそれを乗り越えることを本能的に望みます。そして、できるようになるとうれしくてうれしくて何度もくり返します。」
「意識して体が動かせるか動かせないかは、肉体的な洗練というより、精神面の洗練という点ではっきりした違いを現わしています。」(「子どもは動きながら学ぶ」より)



赤ちゃんや子どもが、それまでできなかったことができるようになるとき。
例えば、寝返りができるようになったり、
歩けるようになったり、
物がつまめるようになったり、
丸が描けるようになったり…。
そのたびに親はうれしくなるものですが、本当は赤ちゃん本人が一番喜んでいるのですね。
その達成感が自信となり、あらゆることにチャレンジしていく積極性を育んでいくのだとか。

というわけで、握る、つかむ、ひく、押す、落とす、
開け閉めする、めくる、はがす、出し入れする、
はさむ、回す、くっつける、かける、はずす等々、
赤ちゃんが指や手を使ってやりたがる動作は、
本人の気が済むまで充分にやらせた方がいいようです。

もっと早く読めば良かったな。
娘や息子が赤ちゃんの頃は「やめてやめて!」が
口ぐせだったような気がします(今は「はやくはやく!」)。
いや、読んでも言ってますね、やっぱり。

2013年7月22日月曜日

木んぎょすくい

先日、鹿児島市の照国神社のお祭り「六月灯」へ家族で出かけました。

娘に「お祭りで何する?」と聞くと、真っ先に「金魚すくい!」とのこと。
これはやはり、避けて通れない道なのでしょうか…。
お世話できるかな? 金魚さん生きてるんだからね、と言い聞かせながらトライ。

残念ながらすくうことはできませんでしたが、
赤い金魚と黒い出目金をもらって帰りました。
しかし、金魚鉢も水槽もない我が家。
フックス社のクリアバケツに2匹の金魚をはなしてみると、
子どもたちは興味深そうに金魚を観察しておりました。

が…数日後、金魚さんたちは遠いところへ旅立ってしまいました。
金魚さん、かわいそうだったね。としょんぼりする子どもたち。そして、

「本当は、木のきんぎょすくいがやりたかったの」と娘。えっ?


それは今年1月、宮崎市で行われた「森のおもちゃとアート展」で
娘が出会った『木んぎょすくい』。

 
ヒノキで作られた『木んぎょ』を昔ながらのポイですくいます。
このとき、娘は上手に数匹の木んぎょをすくっていました。
「すごいね!」とみんなから褒められたのが記憶に残っていたのでしょうか。
それに、よく考えたらこれが娘にとっての初めての金魚すくいだったわけですから、
「きんぎょすくい=木んぎょすくい」と思っていたとしても不思議ではないわけで。
 
「またやりたいなぁ」とつぶやく娘を前に、
「木のきんぎょすくい屋さん、そう簡単には出店しないんじゃないかなぁ(汗)」
と大人的な返事をしてしまう母です。

2013年7月18日木曜日

赤ちゃんとフエ

先月の話ですが、東京の早稲田大学で行われた
「世界おもちゃサミット」に参加してきました。世界おもちゃサミットとは、

「世界のおもちゃメーカー、研究者、おもちゃミュージアム関係者が集い、おもちゃや遊びのもつ可能性を考え、世界平和を目指すための世界初のおもちゃ会議です」(パンフレットより)

というわけで、いろいろな方々のスピーチを聞くことができました。
中でも印象に残ったのは、早稲田大学の教授でいらっしゃる大藪泰先生のお話です。
それは、赤ちゃんが「物の意味」をどのように学んでいくのか、という話でした。

1歳のお誕生日をまぢかにした男の子の前でお母さんが笛を吹いてみせるとき、男の子は「笛」に「息を吹きかけた」から「音がした」と理解するだけではありません。

彼は、お母さんが笛を「吹こう」として吹いたことに真っ先に気づくのです。

笛は口で吹いて奏でるものだという意味に気づくだけではなく、その笛は、お母さんと意味を共有した笛であり、「吹いて音を出すためにつくられた物」という文化的意味を持つ笛になるのです。

↑だいぶ省略してしまいましたが、こんな話です。
その「文化的意味」とやらに気づくことで、
人の世界は動物の世界とは全く異なるものになるのだそうです。

おもちゃは意味を込めて作られています。
赤ちゃんは、人を媒介にしておもちゃに関わっていきます。
このとき、赤ちゃんと大人が一緒に同じものを見るということも、
赤ちゃんの発達に大きな影響を与えているのだそうです。


さて。
そういうわけで、東京一人旅を終えて翌日帰路につこうと新幹線乗り場へ行くと、
そこに滅多に見ることができないという黄色い新幹線が停まっていました。
新幹線好きの息子や娘がいたら、どんなに喜んだだろうか!
とテンション上げながら、一人で写真を撮りまくり、すぐさま主人へメール送信。

私も、子どもたちと一緒に見て、ドクターイエローの意味を共有したかったわけですね。


 


2013年7月11日木曜日

メッセージ・トイとしてのおもちゃ

「ざるかぶり犬」という張り子の犬のおもちゃがあります。
これは東京おもちゃ美術館の館長でいらっしゃる
多田千尋氏のお気に入りのおもちゃのようですが、
江戸時代の人気玩具で今でも郷土玩具として販売されているそうです。

赤ちゃんのカンの虫をザルですくって封じ込めるおまじない、
あるいは、ザルは水を通すことから鼻づまりを治してくれる玩具と言い伝えられています。
また、「竹のザルをかぶる犬→竹冠に犬→笑」とし、
笑いの絶えない家庭を願って飾る縁起物でもあったそうです。

愛知県豊川市には、六枚の羽根をもつ風車が郷土玩具として残っています
。六つの羽根に俵の絵を描き、豊作を願うとともに
「六俵(むひょう)→無病(むびょう)」として、子どもの無病息災を願ったとか。

山幸彦の釣り針を飲み込んだ鯛がモデルとなった鹿児島の郷土玩具「鯛車」も、
鯛の赤い色は幼児の悪病を退散させる力があるといわれていますね。

ロシアでは、昔から男の子が1歳になると馬に乗せる風習があり、
時代の変化とともに1歳の誕生日に馬のおもちゃを贈るようになったそうです。
馬は子どもたちの健康のシンボルであり、
こちらも元気でたくましく育ってほしいという親の気持ちが込められた風習です。

病気になっても医療に頼れない時代のおもちゃは、
子どもの遊び道具というだけではなく、
健康であってほしいと願う親からのメッセージ・トイでもあったのですね。

もちろん、今の時代も赤ちゃんや子どもに与えられるおもちゃには贈った人からの、
そしてそのおもちゃを作った人からの、
さまざまなメッセージが込められているのだと思います。

そういえば、私が娘へのファースト・トイに選んだのは
ヘラー社の動物をモチーフにしたモビールでした。
何かを想ってそのおもちゃを選んだのか…よく憶えていませんが。
でも、そのモビールを見上げていた赤ちゃんだった頃の娘の眼差しは
しっかり憶えています。

2013年7月5日金曜日

子どものストレス

昨日、娘の通う幼稚園で発達支援施設の先生がお話をしてくれました。

4〜5歳ぐらいまでの子どもにとって、
毎日の食事で栄養をとることはもちろん大切なことなので、
食べ残しをしたり好き嫌いがあるとお母さんたちは気になりますよね。

でも食事の際に気をつけてほしいことは他にもあります、とのことでした。

小さな子どもは、まだ言葉でうまく自分の気持ちを表現できないので
心に感じるストレスが摂食障害という形で表れることも多いのだそう。

いつもより食べないなぁと思ったら、
「どうしたの?」と声をかけて子どものストレスの原因を探ってみてほしい。
というようなお話でした。

確かに、娘に関しては思い当たるケースが。不機嫌そうに食事しているとき
「なにかあったの?」と聞くと、必ず「あのね」と心のうちを話しだします。
大人からすれば「そのくらいのことで」というような内容だったりしますが。

ちなみに、息子は毎日あんまり食べません。
「あれもストレスか?」と主人。
いや、あれはただの食わず嫌いだ。

2013年7月2日火曜日

ma*mango(ま・まんご)って?

「店名の由来は何ですか?」と聞かれることがあります。

「大好きなフルーツがマンゴーなんです」。
というのは事実ですが、そこから店名をとったわけではありません。


先日、お店の前を小学校時代の同級生が通りかかりました。
久しぶりに会った彼女は、なによりも先に
「看板見て、『ままんご』って懐かしい!って思ったのよー」
と言いました。

鹿児島弁なんだと思います。でも、
特定の地域の限られた世代でしか通用しない言葉のようです。

それは私たちが小学生ぐらいの子どもだった頃。
友達同士で遊ぶとき、まだ小さい弟や妹を連れてくる子がいます。
すると友人たちは、そのちびっこたちを「ままんご」と呼んで
一緒に遊んであげていました。

鬼ごっこをするときも、かくれんぼをするときも
「ままんご」をつかまえてはいけないというルールがあったのです。
大人から教わったわけでもない子どもの世界のルール。


おもちゃ屋ma*mangoには、
そんな「ままんご」たちのためのおもちゃがたくさんあります。
ちなみに、お店の場所は私が通っていた小学校のすぐ近く。
今の小学生は「ままんご」なんて言葉、もう使ってないかな?