2013年8月9日金曜日

しつけ

最近、息子から「おかあさんは、おこりんぼー」と、毎日言われています。
そりゃあ、2歳の息子に対して怒りたくなることは山ほどあるわけですから
(食事の途中で遊びだす、片付けてるそばから散らかす、お風呂を嫌がる、お姉ちゃんに蹴りをいれる等々)、
にこにこ笑ってばかりもいられないのです。

「こらっ!」と声を出すたびに息子から「おこりんぼー」とののしられ、
さらに娘からは「まだ2歳なんだから、優しく言ってあげて」となだめられ、
なんだかお母さんだけ悪者みたい。
まだ2歳…。そろそろしつけもしていかなくちゃと思うのですが。

「子どもはしつけの中で、いちばん好きな両親や先生が自分に課してくる要請と、自分の要求との対立に苦しみながら、そしてその中で親や先生との共同生活をどう創り上げてゆくかに悩みながら、人間の生き方の基本を学んでゆきます。」(幼児期―子どもは世界をどうつかむか―/岡本夏木著)

子どもの要求を無視して、ただ言うことを聞かせるだけでは、
「子どもが大人に敗北していく屈辱の歴史」をつくることになってしまうのだそうです。
かといって、子どもの要求を受け入れてばかりはいられません。

ではいったいどうすればいいのか。
親の要請に子どもが「従う」のでも「背く」のでもない、
「その他」の方法を、状況に応じて親も一緒に考えなければなりません。
つまりそれが「共同生活をどう創り上げてゆくか」を考えていくことになるのでしょう。
難しいですね。「おこりんぼー」の母は、安易な方法しか思いつきません。

子どもがしつけを受け入れ、
いずれは自らの考えで正しい行いを選ぶようになるために必要なのは、
子ども自身の「誇り」であり、「自尊心」だと岡本氏は言っています。

「子どもがよいことをした時、人間的な親は、それを形式的に「ほめる」よりも、自分自身が喜びます。親が自分の行為を喜んでくれること、これほどうれしいことはありません。そして、「自分はオ母サンを喜ばすことができる人間なのだ」という子どもなりの自覚、これこそが、しつけから抜け出し自らの自立性をうちたててゆく、もっとも大きな拠りどころとなるものなのです。」

寝る前に息子が「おかあさん、だいすきー」と言ってきました。
「おこりんぼーなおかあさんでも?」と、嫌味っぽい返事をする母に
「うんうん」と頷く息子。横で娘も頷いています。
これほどうれしいことはありません。

「今度からは怒らないようにがんばるね」。
なんだか私が子どもたちからしつけられているようです。

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