2015年2月2日月曜日

「ねことねずみ」

毎年のことなのですが、
我が家では年末年始に家族そろってゆっくり過ごす時間は
ほとんどありません。

主人が営む小売店が、年中無休だからです。
年末年始はスタッフの方々もお休みなので
主人はいつもよりもハードスケジュール。

だから、お正月と言ってもおせち料理を食べようなんて気分にもならない。
だから作らない(言い訳)。

いっそ、世間とちょっとずらして旧正月を我が家の正月ってことに
しちゃおうかしら、なんて思うのも毎年恒例なわけです。

2015年の旧正月は2月19日だそう。
今日は旧暦でいうと12月14日。
今からでもおせちの手配は間に合いますね!
ちなみに、昨年の旧正月は1月31日でした。
そんなことを考えながら書いた去年1月31日の南点。

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「ねことねずみ」(南日本新聞「南点」 平成26年1月31日掲載)

 昨年末から新年にかけての休みは最大9連休だったらしい。そんな連休とは無縁の小売店を営む夫は、年末年始ほとんど家にいなかった。サービス競争の激化が進む昨今、元日から営業する店も珍しくない。便利ではあるけれど、そんな風潮に気ぜわしさを感じるのは私だけだろうか。

 夫不在の冬休み、子どもたちとボードゲームを楽しんだ。最近のお気に入りは、「ねことねずみの大レース」というドイツ生まれのゲーム。2歳の息子には難しいだろうと思いつつ彼のコマも用意してあげたところ、ねこが迫ってくるたびに大慌てでみんなのねずみを前へ前へと進めてしまう。もちろんルール違反なのだが、「ねこに捕まっちゃう!」と真剣に怖がっている様子がおかしくて、我が家では息子の行動もゲーム上のイベントの一つと捉えることにした。それに、2人より3人で遊んだ方がゲームは盛り上がるのだ。

 ドイツのボードゲームは「一つの文化」と言われるほどよくできている。運で勝敗が決まることもあるが、戦略を立てる面白さもあるのだ。本気で戦って5歳の娘に負けてしまうこともあれば、本気を出しすぎて娘を涙目にしてしまうこともある。彼女は負けず嫌いのようだ。いや、私が大人げないのか。

 1980年代に家庭用ゲーム機が登場したことで日本ではボードゲームやカードゲームが衰退していった。しかし、ドイツは逆にこれらのアナログゲームを発展させたのだ。なぜか?ドイツでは父親が家にいる時間が長いからとの説がある。残業する労働者は少なく、閉店法のおかげで小売店も早く閉まる。日曜日は一部の例外を除いて完全休業。これは、資本力に勝る大規模小売店から小規模小売店を保護するためのルールでもある。

 安息日という習慣が根付いている国だからできることなのだろうが、日本でも少しは真似できないだろうか。同業者同士がお互いを疲弊させるチキンレースに興じるよりも、家庭でボードゲームに参加した方が得るものは多いと思うのだけど。
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