2015年3月2日月曜日

ごめんください。

娘が「お母さんのお店のレジで遊びたい」と言い出しました。
もちろん、本物のレジスターではなく、おもちゃのレジ。

娘のお店屋さんで買い物をしようとすると、娘から
「お客さん、何か言ってください」と言われます。
それで思わず「ごめんください」と言ってしまいました。
今どき“ごめんください”なんて死語だよ。

スーパーでもコンビニでも、無言で買い物ができますもんね。便利ですけど。

豊かになって、便利になってくると、人間関係は希薄になってくるのだと、
心理療法家でいらっしゃった河合隼雄さんの本に書いてありました。
「切符ひとつ買うのも、昔は駅員さんと顔をあわせて「京都一枚」なんて言っていたのが、いまは機械でポンと出てくるでしょ。買い物でまけてもらおうとしたら、お世辞のひとつも言わないといけなかった。ところがスーパーだったらもうまけてあるものねえ。」(Q&A こころの子育て ―誕生から思春期までの48章― 河合隼雄著)
せっかく子どもたちがお店屋さんごっこで買い物の練習をしても
現代では、会話として実践できる場所は限られているというわけです。

この本が刊行されたのは1999年。
冒頭で1997年に起こった神戸の事件に触れ、
子育てに悩む大人のために書かれた本であると説明されています。

目次を読むだけでも勉強になります。

Q1 豊かな時代なのに、なぜいろいろ問題が起きるのですか。
  みんながこころを使うことを忘れているからです。


Q3 子どもをちゃんと育てていけるかしらといつも不安です。
  どういう子育てがいいのか、ぼくにもようわかりません。


Q29思春期までに親としてやっておくべきことは何ですか。
  「ああおもしろかった」という体験を貯金しておくことです。


Q40覚醒剤が中学生にまで広がっているのはなぜですか?
  母性が弱かったら他の物に依存するしかありません。

こころを使うって、どうすればいいの? と思っても、
どんな場合にも当てはまる「こうすればいい」という答えはありません。
どうすればいいか考えることも、こころを使うことなんだと思います。




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